カネゴンは物心ついた瞬間から常に大変な怖がりで【粗忽な割におれカネゴン】、幼い頃カネゴンの弟が手術のため入院した病院に見舞いに行き、病院の売店で買った少年チャンピオンに掲載されていた「亡霊学級」をうっかり読んでしまい、腰を抜かして病院のベンチから立てなくなったほど。
長じた後も、明かりを全部消して寝ることができず、何も居ないはずの暗闇を意味もなく恐れ続けていた。
しかしそれがいつの頃からか暗闇を恐れることがなくなり、あの当時あれほど怖かったつのだじろう古賀新一の漫画を読んでもさっぱり怖くなくなってしまったことにある日突然気付く【不惑になるまでおれカネゴン】。もうあの頃のように、あらゆるものに対して乙女のように初々しく甘酸っぱい恐怖の心を抱くことはできないのだろうか【恋とホラーとおれカネゴン】。