家人がHD録画したマリインスキー・バレエ団の「白鳥の湖」を途中まで見る。バレエをちゃんと見るのはこれが初めて【途中で言うとはおれカネゴン】。
バレエに台詞がないことに今更のように気付く。チャイコフスキーの音楽はクラフトワークのように輪郭が異様にはっきりくっきりしていて、そのメロディーがまったく中だれせずに次々と繰り出されることに驚く。途中でどうでもいいメロディで埋めてごまかさないところがクラシック好きから逆に「初心者向き」と小馬鹿にされているのかもしれない。
オデッタ姫より王子より、横ちょで小うるさく踊っているピエロの方が明らかに目立っていて、トウのたった男性バレリーナが余生を送るには恰好のポジションなのかもしれない。
米米CLUBの横で演奏せずに動き回っている人にそっくりな悪魔は、他の登場人物には見えないという設定になっているらしく、空席のはずの王座にどかっと座ったり自分の娘(黒鳥)の踊りを甲斐甲斐しくアシストしたりとやりたい放題なのがおかしい。
でも一番心配なのは、白鳥というより鶏がらとしか言いようがないほどやせ細ったオデッタ姫役プリマドンナの健康。踊りはため息が出るほど見事なものだっただけに、後の人生も息災であれがしと思う【要らぬ心配おれカネゴン】。