日経サイエンスの記事より記憶から【細部の怪しいおれカネゴン】:
混雑を解消するために、道路を増設するというのが通常の解決法。しかし、(巧妙な戦略の元で)道路を減らすことで、逆に混雑を解消できる可能性があることが数理的に示されたという。実際、韓国で、幹線道路をつぶして公園にしたところ、ドライバーの選択肢が減り、それが要因となって交通渋滞が緩和されたことがあるという。
すべてのドライバーが自分の都合だけを考えて最も近い道を選ぶと、渋滞の状況がナッシュ均衡に落ち着いてしまい、全員が他の人の利益を考えて(=利他的に)道を選んだ場合よりも効率がよくならないとのこと。
これは、人間の直感に従った、道路増設による解決法と逆の結論となっている。巡回セールスマン問題と似ているようで似ていなかったりしそう。選択肢が増えすぎることで選択の効率が低下しているのではないかということらしい(追伸: ブラースのパラドックス(またはブライスのパラドックスというそうです)。ありがとうございました。)。
たぶんとっくに気付かれているのだろうけど、不景気時に会社が不利益を外部に押し出して廃棄し、自分だけが助かろうとするという行為にも同じメカニズムが働いているのではないかという気がしてしまう。ナッシュ均衡自体は経済学にじゃかすか取り入れられているっぽいのだけど、この不景気特有のハイドっぽい動作のときにも同じことが起きていると考えたらまずいだろうか【まずくて喰えぬおれカネゴン】。もちろん道の多い少ないと経済要素はそのままでは互換性がないのでどうにか変換しないといけないのだろうけど。
今のブラースのパラドックスの引用先より:

そのような劣化が限りなく大きくなる場合があり得る

http://ci.nii.ac.jp/naid/110003196559/