NHKは大分前からクレージーケンバンドがお気に入りらしく、何かとお呼びがかかっていてうれしい限り【とんとかからぬおれカネゴン】。家人が録画していてくれたおとといの番組を見る。

  • 意外なのだけど、サウンドが極上に素晴らしい。日本のロックはたとえ演奏がうまくてもサウンドがどうしようもないケースが非常に多いのだけど、いったい何を拾い食いしたのかと思えるぐらいサウンドもアコースティックも隅々までいい音(かつドナルド・フェイゲン臭ゼロ)。横山剣さんは本当に耳がいい。
  • 意外なのだけど、洋楽にまったく代用品がない。少なくともカネゴンにはまったく心当たりが思い浮かばない。形式的にはソウルやスカなのだけど、本人たちがそうした音楽をまったく意に介しておらず、特別扱いもしていない。マニア臭が完全に脱臭されている。
  • 意外なのだけど、お洒落すぎない。ピチカートファイブみたいにお洒落過剰で鼻につくことがなく、塩加減が絶妙。
  • 意外なのだけど、すごく素人っぽい。それでいて演じている側がこれ以上ないぐらいリラックスしていて、「いいとこ見せてやりたい」という気負いがこれっぽっちも見当たらない。「いつもどおりにやってますぜ」という安心感を与えてくれるにもかかわらず、プロにありがちな業界の水につかりきったくたびれ感/業界ズレした感じがこれまたどこにも見当たらず、ピチピチと楽しそうに演奏している。究極のアマチュアバンド。
  • 当然なのだけど、歌詞がいちいちレベルが高い。昔の沢田研二の歌や松田優作みたいなどこか貧乏臭い気障さ加減から完全に解き放たれている。何と言うか、アニソン/特撮主題歌と真逆の世界。CKBはアニメ主題歌だけは似合いそうにない【アニソン出身おれカネゴン】。
  • 演奏のレベルが高いのは今時当たり前なので、珍しくも何ともない。

カネゴンはそこにあるものより、そこにないものの方がつい気になってしまいます【ないないづくしのおれカネゴン】。
保証はしないけれど【逃げの手を打つおれカネゴン】、CKBはまさに21世紀に生きる「進化した不良」だと思う。14インチのブラウン管ではなく、大型液晶テレビにハイビジョンで映るのが似合っている。未来の音楽人たちはこれの上をいかなければいけないのだとすると気の毒な限り【他人のことならおれカネゴン】。