カネゴン小池一夫: 小池一夫といえばむちゃくちゃなストーリー展開と、人称代名詞に点を打ち「ん」を「ン」と表記する独特の語法で知られ、最近ではどういうわけか「神々の指紋」回りを飛び回っていたことで知られているが、カネゴン以前からずっと気になっていることがある。この人の劇画に必ず共通しているモチーフがあって、それは「愛を試す」というものだ。これはターミネーターが出ようが時代劇になろうがゴルフに耽っていようが、これが登場しないことはない。手を変え品を変えて様々な形で「愛が本物であるかにせものであるかを試そうとする」、というよりも愛を試させるためにキャラクターがぶんぶん振り回されていると言っても過言ではない。このモチーフに対するこだわりの尋常でなさは一体何なのだろう。雁屋哲の場合は「父親を超える」で一貫しているが、それよりもさらに意図も正体もわからず、不気味である。