M1号がフランスに精通していることを知り舌を巻く。カネゴンの最も知らない世界なり。カネゴンはフランスについては極めて通俗的なイメージしか持ち合わせていない。パリの空の下、ふと振り向くとパリジャンがフランスパンを小脇に抱えて走り抜け、ブローニュの森ではトリュフが大量発生して社会問題となり、モンマルトルをセーヌ川が流れ洗濯船が行き交う。凱旋門の地下ではスフィンクス破壊ロボ「巨大ナポレオン」がくろがねの城のごとく聳え立つ。アカデミーでは今日も新しい数学記号が芸術家たちによってデザインされ、パリコレでの発表を待ちわびる。