カネゴンの知人がホームページを開いた。そこにあったのが「狂気のトロンボーン」ことフランク・ロソリーノのCD。ジャコ・パストリアスという悲惨な晩年を送った(ホームレス同然に暮らし、最後はオカマに殴り殺された)世界一のベーシストがいたが、ジャコと同じ超絶技巧を、運動性において劣ると思われがちなトロンボーンで成し遂げてしまったのがこのロソリーノだったりする。ロソリーノは息子を撃ち殺し自分も頭をぶち抜いて果てたが、おそらく(誰にもわからなかった)スランプが原因だったのではないかと勝手に想像している。

この二人は不思議にも、5連符、5拍フレーズを多用するという点で共通していた。ここまで極めてしまった二人は、一つの16分音符のさらに1/5のパルスを感じ演奏できるほどの分解能の高さがあった。原理的にも、さらに高い内部クロックで動作(?)していたはずである。まるで改造PCのように無茶なオーバークロックで演奏し続けた二人は当然の如く長生きできなかったが、もしかすると人が一生のうちに発することができるパルスの数には一定の限界があるのだろうかとさえ思えてくる。ネズミの心拍数とゾウの心拍数をそれぞれの平均寿命で割った値がほぼ同じであるように【心拍の周期の間違いではおれカネゴン】。