まず「分子モーターと筋肉(アクチン/ミオシン)」。分子モーターのサイズになると、ブラウン運動にガンガン揺さぶられるのだそうだ。このスケールになると、通常の工学とまったく異なる概念で構造が作られているらしい。分子の羽根車に一方向のみのストッパー(ラチェット)を付けると、ブラウン運動によって偏りが生じて羽根車が回りだす。エネルギーは、むしろ回転を止めるために使われる。

この、「平均したノイズから生じた偏り」(言葉が正しいかどうかはわからない)みたいなものがもしかすると生命の本質ではないかとふと思ったりした。カネゴンは性急な結論が大好きなので。

ということは、スケールが変わっても(大でも小でも)、こうした平均からの偏りを生じさせる何らかの機構があれば、遠目に見たときに生命として活動するのではないか。コンピュータはそれ自体は「偏り」とはほど遠いが、ネットワークを形成したときにサイズ効果で偏りが生じるなら、それは生命の破片みたいなものになるかもしれない。それとも逆にそれを構成する要素に偏りが乏しかったら、いくらスケールが変わっても生命にはなりえなかったりして【やることあるだろおれカネゴン】。

よく考えたら、パスツールなんかも同じことを言ってたような気もする(酒石酸結晶の鏡像とか)。ただあちらは定性的というか化学反応上の話だが、分子モーターの場合は工学的な面が強い分、化学とは違う形でアプローチできそう。