これはカネゴンが勝手に考えていることだが、「矛盾」がない世界がもしあったとしても、それは何一つ発展も進化もしないのではないか(進化が最善手かどうかという問題もあるけど)。矛盾がないのは月面みたいな死んだ世界ぐらいだろう。「いい警官は死んだ警官だけだ」ということわざもある。純正律の音楽は、あまりにハーモニーが調和しすぎていて、逆に物足りなく感じてしまうという正直な感想もある。何というか、矛盾を抱えているからこそ生物も進化するし脳がものを考えることもできるというか、むしろ矛盾こそ生命の本質というか心の必須栄養素なのでは。よくは知らないけどさくらももこは子供の時から大人の矛盾した言動が気になってしょうがなかったらしい。ユダヤ教はなぜか数学者を多く輩出するが、拡張性のない矛盾に満ちた教義を抱えているからこそああいう学問に関心が向きやすいのかと思ったりする。カネゴンは基本的に心理学ヘイトだが、河合隼雄が対談で「言動がとことん終始一貫しているような人間がいたら、それはかなり異常だ」と語っているのを見て、人柄の良さを感じた。だからと言ってカネゴンの言動が終始一貫していないことの言い訳にはならないのですが。