昨晩のNHKで再放送されていた異能の画家伊藤若冲(じゃくちゅう)のドキュメンタリーが面白かった。演出がかなり妙で、現代の風景の中で岸部一徳らに強引に時代劇の格好をさせていた。映像関係者が一度は思い付いて没にしそうな演出。

その若冲はと言えば、ほとんど(軽度の)自閉症の症例そのもののような一生を送ったらしい。無駄と言ってもいいぐらいの過剰な描き込み、中国の山水画から体得した見事な構図、ポケモンにも通じる見事な「かわいらしさ」、その一方でかなりヘンなデッサン(象さんの絵はかなり笑えた)。それらが渾然一体となって、結果として息を呑むほど素晴らしい内容になっている。まじで感動。

ネットで若冲の絵を検索すると、番組では扱われなかった抹香臭い仏画ばかりが出てきたのはどういうことなのだろう。