日本語だと月も「1月、2月...」と、とにかく数字に関して単刀直入で素直(
睦月如月というのもあるけど)。しかしもしかすると、数字が読みやすいのはいいことばかりではないかもしれない。「
包丁人味平」という漫画で、ブラックカレーの回にこんな蘊蓄が披露されていた(うろ覚え)。

「醤油」とは、世界でも類を見ない日本独自の万能調味料だ。およそ和食と呼ばれるもので、醤油が合わないものはほとんどないといってもいい。日本人はアイスクリームにすら醤油をたらす。まことに、醤油さえあれば和食はほとんどカバーできてしまう。しかし皮肉なことに、醤油があまりに万能だったせいで、それ以外のスパイスの開発がほとんど行なわれず、結果的に日本は未だにスパイス後進国の地位に甘んじている。

スパイス先進国というのがどれぐらいありがたいものかはよくわからないけど、数字の表記ももしかするとそうかもしれない。ユダヤ教が不条理に満ちた教義のために、却って数学者をたくさん輩出したように、あまりに完成されたシステムは、言葉通りそこで進歩が止まってしまうのかもしれない。世界第一位を占めるオペレーティングシステムも、その莫大なセキュリティホールや設計の不条理さ加減それ自体によって、進歩を止めずにいられるのかもしれない。