今月の日経サイエンスで「サヴァン症候群」のことが書いてあった。その中に、普通の人間の脳をああしてこうして、普通の人の中に眠るサヴァンの人みたいな才能を強引に開発するみたいな物欲しげな研究(あからさまな右脳偏重)まで行なわれているらしい。カネゴンが見る限り、サヴァンの人の才能はほとんどが「記録と再生」に集中している。つまり演奏家ではあっても作曲家ではないし(少なくとも物珍しさに終らない成果を上げた例を知らない)、それはやっぱり当然だと思う。鼻歌だけなら右脳でもできるだろうけど、それを構成して一つの曲にするにはどうしたって左脳の力が不可欠だと思う。その種のないものねだりがこれ以上進行してしまい、文明国の子供たち一人一人の左脳に親が目の色を変えて釘を打ち込みまくり、みんな揃ってサヴァンになって世界が平和になってしまったらどうしよう。