色川武大が「すべてに不満だらけなのに、身体にどこも痛いところがない。それが若さというものだと思っていた時期があった」とどっかで書いていた。若さの渦中にあってこれを意識していたとしたらかなりのものだと思う。そこにあるものは意識しやすいけど、そこにないものに気付くのはやはり難しい。自分の本棚にはどんな本が「ない」かを数え上げてみると案外極めて正確な性格判断ができるかもしれない。そういうCGIはどこかにないだろうか。そう思うとカネゴンの本棚にはミステリーと写真集が一冊もない。