PCが3GHzともなると、PCエミュレータVMWareが恐ろしく軽快に動くようになる。エミュレーションをしていてほとんどストレスを感じることはないのだけど、たった一つ、仮想環境のサウンドの質がホストOSのサウンドに比べて明らかに高域が減衰しなまって聞こえる。耳の検出境界がサウンドビットレート前後に位置しているのかもしれない【推敲足らぬおれカネゴン】。こんなところにエミュレーションらしさが図らずも顕現してしまうとは思わなかった。仮想世界にいながらにして外の世界を感知するというのはこういうものなのだろうか。

水木しげるによると、妖怪は世界各地の踊りや音楽や祭の中に直接感じることができる、決して文字を通じてではない、とのこと。あらゆる集合の中で、文字で表せる空間がほんの一握りで、その中でさらに学問の対象にできるモデル化が可能な空間がさらにほんの一握りだとすると、補集合は莫大なものになりそう。文字によってその補集合を切り捨てているからこそ皆かろうじて正気を保っているのかもしれない。作品を追求するあまり補集合に入れ込んでしまって帰って来られなくなるみたいな話はこれまた掃いて捨てるほどある。アンテナは適度に鈍いに越したことはないというか、むしろ必要に迫られて、途方もない努力を払って鈍くしてきたのだと痛感【何が何だかおれカネゴン】。