先日の読書猿MLで、現代催眠の巨匠エリクソンのことを初めて知る。そこでネット上の催眠術に関する情報をいろいろ検索してみると、どうにも下心優先で催眠術に取り組んでいるページが多く、あまり参考にならなさそう【貴様はどうかとおれカネゴン】。

このエリクソンという人は、いわゆる催眠術っぽいこと(懐中時計を揺らしたりなどのショーになりそうな要素)をまったく行わず、普通に患者と話しているだけで相手が催眠状態に陥る(といっても眠るわけでもない)とのこと。また、患者を制御下に置かず、本人のやる気を重視する治療方針でもあったらしい。ただエリクソン本人が天才すぎてメソッドになかなかできなかったらしいとも。

ふと思ったのだけど、こういうプラクティカルな催眠術がありうるということは、普通人でも知らず知らずのうちに相手(または自分自身)に催眠をかけてしまっているケースというのがざらにあるのではないかということ。本物のカリスマとかはこういうことを無自覚にやっているかもしれないし、逆のケースで、どこにいってもなめられたり軽く見られたりする存在質量比が水素より軽い人間は【おぬしのことよおれカネゴン】、無自覚にネガティブな暗示を回りにかけていたりするのかもしれない。自分で自分に無自覚に催眠をかけたりすることもあるかもしれない(もちろんネガ/ポジどっちもありで)。

だとしたら、「無自覚にあたり構わずかけまくっている暗示をやめさせることによる催眠治療」というものがあってもいいような気がするのだけど、どうも今のところそういうものは見当たらないし、それに関する説明もない。それとも実は誰しも暗示をデフォルトで自他共にかけているのが当然で、ピロリ菌を除去するように人間からうっかり暗示を完全に取り除いたら頓死してしまったりするのだろうか。うう。