同書でもう一つ目を惹いたのは、社会科学や国際政治学では、いわゆる地政学は似非学問だと認識されているという記述。たとえ似非でなくとも、地政学に願望が紛れ込まないように注意しつづけるのは相当難しそう。ただどんなものであれ、地政学に耽るのは間違いなく楽しい。たぶん、「地球の歩き方」を眺めながらああしようこうしようと思いを巡らすのと似ているからかも。