今月の日経サイエンス温暖化が氷河期を招く」は恐ろしさのあまり叫びだしたくなりそうな内容【狼少年おれカネゴン】。詳しくは本誌で。

言うまでもなく、世界の気候を支配しているのは海流なのだけど、温暖化による極冠の氷の溶解がある程度以上進行すると、氷が溶けて大量の水となって海に注ぐために海水の塩分の濃度が下がり、それが巡り巡って地球の気候をある日突然激変させる可能性があるとのこと。

通常、赤道近くの暖かい海水が海流となって極近くまで流れると、そこで冷やされて(つまりその地域を暖めて)から海流が海底まで潜り、海底をたどって再び赤道付近まで還流し、そこで再び上昇する。しかし温暖化によって海水の塩分の濃度が下がると、真水の氷が水に浮くことから想像できるように、薄まって真水の性質に近くなった海水は冷やされても密度が上がりにくくなる。その結果、極付近で冷やされた海水が海底に潜らなくなり、海流の流れが突然停止または大きく変わる可能性があるという予測。

海流が停止したときの影響として真っ先に考えられるのが、これまで暖流によって暖められていたヨーロッパなどの地域で大規模な温度低下が発生すること。他の地域でも同じような影響が生じることは当然考えられる。怖いのは、徐々にそうなるのではなく、カタストロフィにも似てあるとき突然起こる可能性があるということと、そういう急激に変化する現象を正確に予測することが難しいこと。この危機は、隕石の衝突よりは断然ありえる。これまでの、どちらかというとうすぼんやりした温暖化の危機より遥かに具体的。今カネゴンたちにできるのは、皆で大海原に向かって絶え間なく放尿を繰り返すぐらいしかないのかもしれない【黄色く染まれおれカネゴン】。