The Round Table(from 読書記録Changelog)はマジックのみならず、芸事全般についてびしびし厳しいことが書いてあって読ませ、このまま入試問題に使ってもいいぐらい文章がうまい。風姿花伝のどこかにも同じようなことが書いてあったような気がする。

ここではマジックを見せることができなくなったマジシャンにちょっとしたアドバイスをしますが、マジックをやらなくてもよいのでしたら無理にする必要などありません。マジックは大変パラドキシカルな芸です。マジックなどやらなくても十分魅力のある人がやってこそ光る芸です。

本人がどれだけ自分の芸がすばらしいもの、価値のあるものと思っていても、相手がそれを受け入れなければ二束三文です。他人に、この値打ちを理解しろと言ってもそれは無理です。第一、この世に絶対的な価値のあるものなど何もありません。「私の気に入っているものは、あなたも気に入らなければならない」というのは、明らかに「非論理的な思いこみ」(irrational belief)です。

子供のために本を選ぶ前に読み返したい。