新しい大統領があまりにも立派な人で、カネゴン自分が恥ずかしくてたまらなくなる【土下座終われぬおれカネゴン】。
とっくにたとえられているかもしれないのだけど、新大統領がどことなくヤコブの子ヨゼフに見えてしまう。またしても色川武大「私の旧約聖書」より記憶から。

ヨゼフは父ヤコブから猫かわいがりされたために兄弟の嫉妬を買い、奴隷としてエジプトに売り飛ばされますが、才覚を発揮して家令の立場に出世します。その家の妻がヨゼフに言い寄りますがなびかなかったために投獄されますが、それがかえって出世のきっかけとなり、得意の予知能力を発揮してついには宰相の地位にまで上り詰めます。
ヨゼフの実力なら、パロに取って代わることもできたでしょうが、それをしなかったのは、一つにはヨゼフには外国人という引け目があったからかもしれません。
外国人はその土地では主流派にはなれないので、ひたすら実務の才能を発揮して勤め続けなければなりません。それを考えると、ヨゼフを宰相に任命したパロもなかなかやるなという感じです。
ヨゼフは粉骨砕身、パロのために尽くします。7年の飢饉が激しくなると、人民が穀物を求めてエジプトに続々と集まります。ついには穀物を買う金も尽き、人民は家畜をパロに差し出して、その代償に穀物をもらいます。
それもなくなると、ついには人民は土地と自らをパロに差し出して奴隷となり、その代償に穀物をもらいます。こうして、ヨゼフは家畜も土地も人民も、すっかりパロのものにしてしまいます。

日本の内閣や議会にも、プロ野球みたいな外国人枠を定めることを誰か計画していたりするだろうか。