kashinoさんによる「Outliers」の書評。

もったいぶらずにこの本の結論を書いてしまうと、次のようになる。

  • 持って生まれた数値評価可能な能力もある程度必要、しかしそれはあるスレッシュホールド以上に達していればよいだけである。
  • 生まれつきの才能以上に、以下の「環境と機会と決断と継続的努力のアマルガム」が重要である。
    • いつ生まれたか
    • どのエートスを持つ集団で生まれたか、どの家庭で生まれ育ったか
    • 一つのことについて10000時間の努力を続けたか
    • そのことは、自分の意志でハンドルできる自律的(autonomy)があり、創造性や工夫が必要な複雑(complex)さがあり、努力と報酬の間に直接的な関連性(a connection between effort and reward)があるか。つまり、そのことは意味のある(meaningful)仕事なのか。
    • そのことから取得できたスキルが、必要とされるドンピシャな時期に活用できるか
    • 偶然のキッカケを逃さず掴むことができるか
http://kashino.exblog.jp/7771399/

それとは別に関係ないのだけど、以下はカネゴンが今年の花見の席でJN師匠から聞いた話。

僕は東京オリンピックのときに通訳のバイトをしていたんだけど、あれは非常にいい現場だったね。何がいいかっていうと、オリンピックの現場で働いている人たちが一人残らず明確な目的意識を持っていたんだよ。この東京オリンピックを成功させたいっていう明確な目的をね。便所掃除のおばちゃんに至るまで、一人残らず、だよ。
あれに触れたとき、このイベントは間違いなく成功するって思ったね。これに限らず、事業を成功させるには参加者がこういう状態にならないとだめなんだよ。

果たしてさっき引用したメソッドは、便所掃除のおばちゃん達にそうした目的意識をもたらしてくれるものなのかどうか。