川内康範の教えの本質をずばり見抜いたのが著者以外には村西監督しかいなかったことからもわかるとおり、読解力とは誰でも持っていそうで実は意外と持っている人の少ない能力だったりする【なくても書けるおれカネゴン】。カネゴンの概算では、兵器に転用できるほどの威力のある読解力を持ち合わせた人は5000万人に1人ぐらいです。
カネゴンの中でだけ確かなのだけど、色川武大が密かに最も得意としていたのは小説でもなければ博打でもなく、実は読書感想文だったりする。カネゴンが愛して止まない「私の旧約聖書」も、見ようによっては旧約聖書を題材にした読書感想文とも言えるわけで、彼の並々ならぬ読解力がここで存分に示されている。
もし色川武大が生きていたら、川内康範の教えを見抜いた三人目の人物としてカネゴンの心の記念碑に刻まれていたに違いない【たられば三昧おれカネゴン】。こんなレベルの高い読書感想文を夏休みの宿題として提出するとその場で先生から物も言わずに拳骨をもらう可能性が非常に高かったりするのだけど【アッパーカットでおれカネゴン】。