おかげで1冊読み終わる。「行列とベクトルのはなし」(大村 平)をノートを取りながら内容の素晴らしさに唸る。というよりも、カネゴンの頭の程度ではまずここから始めるべきだったということ、これまではベクトルをすっ飛ばして行列をやろうとしていたということに今更のように気付く。いくら高校数学が脱け落ちているとはいえ、穴があったら入りたい。よく見れば初版は1978年で20版も重ねている大ロングセラー。最近音沙汰のない京都のレフトウィングこと読書猿で取り上げられても不思議でないほどの名文。何しろ著者のつつましい家計を題材に行列を組み、エンゲル係数がいかに高いかを恥を忍んで説明しているほど。ちなみに食費は月8万、教育費は月4万、家賃光熱費は8万円だったそうだ。しかも「ページを戻らせるのは申し訳ないのでもう一度ここに式を書きます」というつつましさ。カネゴンは顔で笑って心で泣く。

ついでにここにもカネゴンと同じく数学に格闘する人を見かけ、勇気が沸く【←その字がお似合いおれカネゴン】。