芥川龍之介にそっくりな立花ハジメ(肇)は、他の業績はよく知らないけど、得難いメロディメーカーだとカネゴン個人的に思っている。何だかとても俗っぽそうなので別に会わなくてもいいけど【貴様が言うとはおれカネゴン】。バート・バカラックセロニアス・モンクから「泣き」と「ブルース」をきれいさっぱり取り除いたような反則すれすれのエグいメロディーを聴くたびに、どこをどうつついたらこういう曲が書けるのか不思議だった。プラスチックスの頃は、演奏している本人たちがぞうっと鳥肌が立ちそうなほどの安っぽい仕上がりを目指していたせいか、独特のメロディセンスについて誰も言及していなかったけど、カネゴンはそのあたりがもともと好きだったのでそういう部分ばかり聴いていた【悪食治らぬおれカネゴン】。
ジャズと称していたソロアルバム「H」「Hm」あたりは、カネゴンがジャズを知る前に聴いたため、カネゴンこれが普通だと思っていたら全然普通ではなかったことが後に判明する。ジャズの約束事を無自覚に全部ぶっこわしていて、完全にデストラクタとして機能している。ジャズマンなら恥ずかしさのあまり腹かっさばいて果てそうになるほどの頭ノリの曲作りが、逆に今から思うと清々しかったりする。それから20年経った今、最先端のジャズの人たちが結果的に立花ハジメみたいなことを大汗かいてやっていたりするのがこれまた仏教的な輪廻を感じさせる【巡ってみたいかおれカネゴン】。下手に歴史を知ると壊せなくなるらしいことを痛感。