ミュージシャンの大槻ケンヂが初めて作った曲のタイトルが「自己嫌悪」だったというのを何かで見かけ、抱きしめたいほどの親近感を一方的に抱いてしまったことがある。漫画家の永野のりこが、決して誰にも見せることなく山ほどのポエムを書き綴っていたことを知り、これまた途方もない親近感を一方的に抱いてしまったことがある【身の程知らずのおれカネゴン】。

その一方、この年になってやっとわかったのは、少なくともカネゴンが知るほぼ誰もが、形は違えど多かれ少なかれ同じような自己嫌悪を密かに抱えていて、ただそれをめったなことでは表現しないだけだったということ。カネゴンはちょっとしたことですぐ大騒ぎしてしまうたちなので、自分のことばかり気にしてそうしたことに長年思い至ることがなかったことに今更気付き、激しく申し訳ない気持ちになってしまう【人を見とらぬおれカネゴン】。