そういえば大昔【遠い昔のおれカネゴン】、雑誌「ロッキングオン」の別冊でぐっと趣を変え、「多重録音を自分でやってみよう」という特集を大々的に組んだことがあった(巻頭は唐突にヴァン・ヘイレンのインタビュー)。
当時は言うまでもなく4chカセットデッキでの多重録音が主流で、当時の看板ライター四本淑三が長々と何か書いていたりしたような覚えがある。

ボタンを押せる体力と、音を選ぶ知能があれば、こんなの誰でもできる。

その中で、音楽などやったこともない同誌ライターの広瀬陽一に無理やりバッハの「G線上のアリア」をカシオのポータサウンドか何かで多重録音させるという企画があった。やらせた側はどさくさに紛れて「広瀬氏は音楽の演奏もド素人な上にひじょーに根が暗く、曲が形になるまでに大変手間取った」などと言いたい放題なことを書いていた。
それよりも、「誰もが知っている名曲だから」という理由で広瀬陽一にやらせたG線上のアリアという曲を、当時のカネゴンがこれっぽっちも知らなかったことに気付かされたことの方がよほど重大な問題だった【知らぬ存ぜぬおれカネゴン】。