1項目1点として、17点〜20点は要注意で、アルコールや抗鬱剤を服用していると殺人を犯す可能性がある。21点以上は、激しい敵意を表面化させまいと、強く統制している危険な状態である。ちょっとしたきっかけで殺人等、凶悪犯罪を犯してしまう。敵意を貯め込まずに、小出しにした方がよい。

何でもこのテストは、極端な凶悪犯罪者と(ランダムに選ばれた)かなりの凶悪犯罪者と(ランダムに選ばれた)軽犯罪者と普通の人にさまざまな質問のアンケートに答えさせ、凶悪犯罪者だけがチェックする傾向が高い項目だけを抽出し、厳しく取捨選択したものだとのこと。原典は「ミネソタ多面人格目録MMPI-1」からの抜粋で、単に日本語に翻訳されているのではなく、日本に合わせて標準化されているとのこと。
見方を変えれば、当たるように作られている(著者はそれでも「ある程度は使えるだろう」と控えめ)。そしておそらく、個々の質問そのものについてはほとんど意味はないはず。

もし仮に、凶悪犯が特定の質問には正直に答えていなかったとしても、凶悪犯だけが嘘の回答をする傾向の高い質問であれば、それは検出に有効な質問になるはず。

推測だけど、質問が「当てはまるもの」と「当てはまらないもの」に分かれているのも、質問を肯定文から否定文に変えたりするとなぜか効力がなくなってしまうからなのかもしれない。
それだけ見ても、このテストを作るのにはたいへんな手間暇とコストがかかっていることがうかがえる。浅野八郎とかが昔出していたポピュラー心理テストが、一問一問これほどのコストをかけていたとは考えにくそう【さんざんやってたおれカネゴン】。

でも、この本で一番重要なのは第一章の「心理学とは」で科学と統計についてコンパクトかつ詳細にまとめてくれている部分だったりする。