実はカネゴンが最初に黒人音楽というものに関心を持ったのはグレイス・ジョーンズだったりした【恩を忘れるおれカネゴン】。残念ながらそのビデオはネットのどこにも落ちていなかった。
そのPVの音楽はドラム以外の音がなく、アフタービートを極端に強調したシンプルなビートで、アニメ音楽と合唱曲とテクノポップしか知らない当時のカネゴンにはそれまで耳にしたことのない異様なものを感じた【恐怖と共におれカネゴン】。自分でそのビートをあれこれ真似してみてもちっともそういう感じにならず、首を捻るばかり。
今から思えば、あれは黒人音楽をパロディとして使用していたのかもしれない。黒人音楽をインサイダーとしてではなく、よそ者の視点から眺めて、その特徴をギャグになるくらいに強調した結果なのではないかと。最早確かめようもないけど、ドラマーも黒人とは限らない。カネゴンは鈍いので、このぐらい強調してもらわないと検出できなかったと今にして思う。
とにかくその時以来、どうやったらああいう感じに演奏できるのかずっと気になってしまい、それが知りたくてラジオで流れるR&Bやジャズに初めて関心をもつようになった。その謎が解けるのは大分後になってビッグバンドに加入し、師匠に会ってからなのだけど。