ニュートラルで黒澤明の「夢」を見た。難しいことはよくわからないが、何だか黒澤に強引に極楽浄土に連行されたような気分になった。途中えらく怖いシーンがあって、おやっさんがたまたま暖房を切っていたものだから演出効果満点。最後のテロップを見たら意外に豪華なスタッフ。ルーカスのILMは協力しているわ、「レインボーマン」の合成を担当したデン・エフェクツもいるわ、本田猪四郎もいるわ、スピルバーグの名前は「スチーブン」になっているわ、笠智衆までいるわ、みんなが力を合わせて極楽浄土を作り上げていた。死ぬときにはこれを環境映像にしようかな。今隣にいるコックのお姉さんによれば、小学校の時に推薦映画になっていてみんな見たそうだが、浄土感あふれる映画は子供にはきつかろう。

ああ、そんな。カネゴンはぜんぜん駆け出しです。上級者というのはたとえば銀○社の伊○さんとか○末さんとか○田さんとか元○掌さんとか○犯○ッキーさんとかなべやかんとか恐ろしい人たちがいっぱいいるのに。それはちょうど「じゃあ新しいところでモーツァルトをやりましょうかね」と授業を開始した中世イタリア音楽史の○沢先生のように。

カネゴンがこの冥府魔道に引きずり込まれたきっかけはいろいろあれど、グランドチェロキーに乗ってやってくる保険外交員に数々の手ほどきを受け、とどめはTVサントラ大作戦を見に行ってしまった上にがんがんリクエストを出してしまったことだろう。この時はぶっ通しで10時間、ありとあらゆる音源がかけられた。著作権をクリアするためにお金は取らず、映像も使用せず、語りを交えながらひたすらMDとテープをかけまくる。会場は西の空が一望に見渡せるマンションの最上階のギャラリーで、メトロン星人とセブンが戦ったときのような鮮やかな夕焼け。深夜に終わった後、頭音が普段の20倍の音量でじーんと鳴り響くほど強烈な体験だった。このときにクイズ・タイムショックをリクエストしてしまったのは私です。