インドにもライオンがいる。しかも上野動物園で見られる。

昔は南西ヨーロッパからインドにかけて広く分布していたが、現在ではインド北西部のグジャラート州ギル保護区にのみに生息している。

そういえば旧約聖書にもライオンが登場していた。シナイ半島辺りでもかつてはライオンは当たり前のようにうろうろしていたのだろうか。以下色川武大「私の旧約聖書」より。

しかしイェホバさんはあいかわらず猜疑心が強くて、へんなこともするんです。
預言者の友人が、主の命令で「私を撲ってくれ」
突然なので、そのままにしておくと、主の御声に従わなかった、というので、その預言者は獅子に殺されてしまいます。
その友人は、べつの人に「私を撲ってくれ」といって、今度は首尾よく撲られて傷を負ったりしています。

ヤロブァム王は金の仔牛を二つ作り、「エルサレムにいかなくても、ここにお前たちをエジプトから連れのぼった神がおられるぞーー」
つまらんことをしたもので、これがイェホバさんをまた怒らせてしまうのです。
神の使いがやってきて、ヤロブァムの造った祭壇に向かい、「お前(祭壇)の上で香をたく祭司たちを犠牲としてお前のうえにささげ、人の骨がお前の上で焼かれる」
ヤロブァム王は神の使いを懐柔しようとしますが、彼はパンにも水にも手を出さず、主の命令のとおり、来た道と違う道を帰っていきます。
その神の使いをまた騙す預言者がいて、「私のところに主が現れて、神の使いを家で休息させよ、といわれました」
それでうっかりお使いは預言者の家でパンを食べ、水を呑む。さァ、たちどころに天罰覿面、お使いは獅子に襲われてしまいます。

色川武大が描写すると、時代を超えて笑えるコントになってしまうところがたまらなく好きだったりする。